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2019

3年 貴田真広

厳しくも温かい、良きお母さんになりそうな有里ちゃんから回ってきました、100%の雨男「グラ禁の子」ことパイナップル貴田です。




入部してすぐに、僕の前に大きな山が立ちはだかった。


見上げると首が痛くなるような、そんな山だった。


人間関係や部活を続ける意味についてひたすら悩まされた。

その山を登りきる前に多くの同期が辞めていった。悔しかった。逃げんなよ、そう思った。

最初のブログで書いたように、僕は周りの人達に背中を押され、なんとかその山を登りきることができた。





その大きな山を一つ越え、山頂に辿り着いた時、そこにはどんな景色が待っているのだろうかと胸を躍らせた。


しかし、そこから見えたのは、ただひたすらに平坦な道であった。


落胆するような気持ちと共に、"もうあんな辛い思いをしなくていい"というような、少しの安堵を覚えていた。


目を凝らして見てみると、その道は「引退」まで続いている。


僕はその道を、なにも考えずにひたすら歩き続け、ふと気付いた時には既にラクロスを始めてから2年が過ぎていた。


周りを見渡しても、誰も見当たらない。


叫んでも、誰の耳にも届かない。


どうやらみんなは自分の遥か上にいるようだった。


いつからか僕は、目指すベき道から目を背け、相手にされない孤独へと逃げていた。



『何もしないなら部活やめろ』



前年度主将の勝さんから言われた言葉が、今になってぐさりと心臓に突き刺さる。


くだらない理由をつけて見上げることをやめていたのを、勝さんは一目で見抜いていた。


僕は大きく深呼吸をして、もう一度自分のいる場所を見渡した。



そこには、平坦な道が続いていた。



そこで僕はようやく気付くのだった。


『あぁ、第2の山は自分自身で作り出さなきゃいけないんだ』


そう、試練は与えられるものではなく、自ら課すものなのだ。

こんな他のみんなが当たり前に気付いていたことに、僕はどれだけの月日を費やしただろう。

どれだけ手を差し伸べてくれた友達を裏切ってきただろう。

そんな大きな後悔と共に、少しの安堵を覚えている自分がいた。


"ようやくラクロスと真剣に向き合えた"


そう感じたからだ。

あの時の安堵とは違う、どこか太い芯を持ったような、そんな安らぎだった。


遅すぎる?


そんなことはない。


僕のようなレベルのプレーヤーは絶対評価しかされない。


上手か、下手か、ただそれだけ。


それに早いも遅いもない。


ただ自分の道を突っ走れ。



『だからここが僕のスタート地点だ。』



そう強く感じた時、ひたすらに平坦であったはずの道に傾斜がかかり始めていた。



新しい道が開かれたのを、肌で感じた。








僕はまだ、その道に一歩足を踏み入れただけである。









次は食べるのが早すぎて彼女にフラれた杉浦君です!


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