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2019

2019年度 ヘッドコーチ挨拶/関口智久

青山学院大学男子ラクロス部を支えて頂いている皆様

いつもご支援、ご声援ありがとうございます。
ヘッドコーチを務めております関口と申します。


今まで外部に発信することがなかったのですが、今年も多くの新入生が入部したタイミングでもありますので、自己紹介もかねて改めて何を考えてコーチをしているのか、学生と接しているのかを伝えさせて頂きたいと思います。
また、部員や部員を支えているご家族の方々にも、お子さんがどんなチームでどんな活動をしているのか少しでも理解頂けると幸いです。


■はじめに
私は青山学院大学を2006年に卒業し、社会人クラブチームでプレーをした後、青山学院大学男子ラクロス部育成コーチとして関わるようになりました。年度によってヘッドコーチや育成コーチと立場を変えながら関わって参りました。

20代後半から携わってきたコーチという立場ですが、20代で考えていたことと現在では大きく変化があります。
経験が浅かったという言葉で片づけることはできないですが、20代は目先の勝利ばかりを気にしていたような気がします。
その時期は学生主体という考えや言葉がきれいごとだと思っていました。
もちろん押し付けたり、無理やりやらせるということはしていませんが、こちらが考えている計画や戦術・方法論を伝え、学生はあくまでも正確に実行してもらうことができれば勝利し、部員が楽しく幸せなものと勘違いしていました。


■二度目のコーチ就任
初めてヘッドコーチとして臨んだリーグ戦では1度も勝てずに2部降格。次年度も1部に上がることはできませんでした。
通用するとも思っていましたし、ものすごくショックを受けたことを今でも覚えています。
青学のコーチを続けた後に、縁あって法政大学のコーチを経験させて頂きました。
ポテンシャルの高い選手が多くいたにも関わらずfinal4にも行けず、良い結果を残すことができませんでした。
自分自身こんなに時間を費やしているのに、なぜ結果が出ないのか。そして学生も納得した結果が出せず終わっていく。
結果を追い求め、そこの結果がでなければ強く否定されたように感じ、自分の能力のなさに嘆きました。

そして学生も誰かにやることを押し付けられて実行するだけ。
そんな部活は誰も楽しくはありませんし、部員が成長もしません。何より幸せではありません。
学生もそんなコーチを必要としません。

法政大学でのコーチを2年経験した後、大学でのコーチは離れ、当時担当していた関東ユース(20歳以下関東代表)コーチのみをしようと考えていました。
そんな中で、1年生の時に育成コーチとして関わったのがきっかけで、28期主将武藤、幹部塚本、OB係の青木からコーチの打診を受けました。1部から2部に降格してしまい、必ず1部に昇格し1部で勝てるチームを作っていきたい。
そんな彼らの話を聞いていると、改めて一緒にラクロスがしたいし、何より勝たせてあげたいと思ったことを今でも覚えています。
2度目の青学コーチ就任の機会を与えてくれた28期メンバーには本当に感謝しています。


■現在の部活・部員への思い
自分の介在価値は何なのか、彼・彼女たちにとって幸せとは何なのか。

前回のコーチをしていた時と同じことをしていても、同じ結果を繰り返すだけです。
そもそも技術的に私よりうまい学生はたくさんいます。今はSNSや動画サイトなどで海外のプレー、戦術などもすぐに見ることもできるので、技術的な情報はすぐに手に入れることができます。
もちろん私自身もラクロス知識を上げることは前提で必要ですが。

そしてその経験から現在の私が考えていることは次の通りです。

ラクロス部の活動を本気で取り組むことを通して、関わった彼ら彼女らが自分たちで考え行動することで人間的に成長し、社会に出た後も活躍する人材となり、その後の人生を豊かなものとしてほしいと思っています。
当たり前のことですが、試合に出ている限られた人たちのことだけではなく、所属する全員を対象として考えています。
うちの部活に魅力を感じ、縁あって入部したメンバー全員が勝利や日本一を目指す過程により、それぞれの役割の中で成長をさせ、その後の人生や社会においての活躍をすることを目的としています。

現在、部員は毎年100名程度となっています。
実際、メインで試合に出るメンバーは20名程度です。他のプレーヤーはリーグ戦には出ることができません。
部員の中には色んなタイプの人がいます。
ラクロスというスポーツがうまくなるのに時間が必要ない人もいます。
何かに特化し専門性を持つことでうまくいく人もいますし、4年間では時間が足りない人も多くいるでしょう。悲しいことですが怪我をしてプレーができなくなる人もいます。
勝利を目指し貢献することはフィールドで戦うことだけではありません。
選手としてプレーするよりも分析したり、客観的にチーム状況を把握できたり、仲間を盛り上げることができたり、サポートすることができたり、それぞれ得意な分野には違いがあります。
所属するメンバー全員がそれぞれ活躍する場所や役割を見つけ、存在意義を見つけ活躍し成長してほしいと考えています。
それぞれの活躍は勝利につながり、そのメンバーの成長とつながっています。

そして1部昇格し、その後Final4、関東優勝、日本一になり、その瞬間をメンバーや応援してくれる人たちと共有する。

とても幸せな出来事です。

その上で、その目標を達成する過程で人間として成長し、その後の社会人生活・人生をより豊かにすることができれば、もっと幸せなことだと考えています。

あくまでも考え、選択と決断をし、行動するのは学生たちです。
学生たちがベストな判断と行動ができるようにその環境を整え、目標達成できるよう引き上げるように心がけています。


■楽しんで勝つ
最近、私が学生たちによく発信している言葉は「楽しむ」です。
本気で考え、取り組み、苦しい時もあるが、その過程を楽しんでほしい。

全部員が本気で取り組み、その状況を楽しんでいる、外から見ても楽しそう。
だけど、強い。
青学っぽいですよね。

厳しい努力も必要なことが多いかもしれない。
もしかしたら努力を楽しいと思うことはできないかもしれない。だけど、楽しく努力することはできる。
そんな環境、文化や風土を作り上げていきたいと思っています。

青山学院大学男子ラクロス部は、試合に出ている一部のメンバーだけでなく全部員、そして応援してくださる皆様と共に勝利を目指します。


■最後に…
いろいろと書きましたが、私が考えていることを既に歴代の主将が書いてくれています。

28期主将武藤:日々の取り組みからラクロスを楽しむこと、仲間を信頼すること。
https://ameblo.jp/agulax13/entry-12334781557.html

29期主将勝:勝利するだけでなくビジョンを構築し、チームは全員で作るものであり、全員が主役であるということ。
https://ameblo.jp/agulax13/entry-12419528896.html

30期主松本:決断し行動するのは自分である。
https://ameblo.jp/agulax13/entry-12432055976.html


学生のうちからそのことに気づき、行動をできるメンバーがいることは青学ラクロス部の強みです。


青山学院大学 男子ラクロス部
ヘッドコーチ 関口 智久

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